重機について
突然ですが、皆さんは働く機械をご存知ですか?
小さいときに車のおもちゃで見たことがある、街中の工事現場で稼働しているところを見たことがある、名前は聞いたことがある。など、馴染みはなくともなんとなく知っている機械もあると思います。
道路や駐車場、空港の滑走路など、私たちの暮らしに欠かせないインフラのひとつが「舗装」です。見慣れたアスファルト舗装の現場では、実に多くの専門機械が連携して作業を行っています。舗装工事の品質や効率、安全性を支えているのは、こうした機械の力にほかなりません。
そこで今回は、舗装工事で実際に使われている主な機械の名称や役割について詳しく解説し、それぞれの特性と重要性にスポットを当ててみましょう。
1.バックホウ(油圧ショベル)
【掘削・積込の万能選手】
舗装工事の初期段階で活躍するのが「バックホウ」、いわゆる油圧ショベルです。これは地面を掘削したり、土砂をダンプトラックに積み込んだりする重機で、施工の基礎を整える役割を担います。
役割:舗装前の路床整備、障害物撤去、既設舗装の撤去など
特長:アームに装着するアタッチメントを変えることで、ブレーカー(斫り)やグラップル(掴み)など多様な用途に対応が可能になります。舗装工事においては、整地前の地ならしや排水路掘削などで出番が多く、現場に1台は欠かせない存在です。
2.モーターグレーダー
【精密な路面整形を可能にする整地機械】
路盤の精度を高めるために用いられるのが「モーターグレーダー」です。ブレードと呼ばれる刃を使って土砂を均一に広げ、設計に基づいた勾配と厚さに敷き均します。
役割:路盤の整形、勾配調整、仕上げ整地
特長:数ミリ単位の精密な整地作業が可能で、長距離道路や空港など広範囲で特に力を発揮します。正確に路盤整形を行うか行わないかで、舗装の寿命を大きく左右します。そのため、グレーダーオペレーターの技術の非常に重要です。
3.タイヤローラー/マカダムローラー
【締固めを担う重量級マシン】
整地された地盤や路盤をしっかりと締固めるために使用されるのが「ローラー類」です。なかでも、タイヤローラーやマカダムローラーは、舗装の強度と安定性を確保する上で欠かせません。
役割:路床、路盤、表層の締固め
特長:タイヤローラー・・・複数のタイヤで荷重を分散しながら締固める。
主に表層仕上げに用いられる。
マカダムローラー(振動ローラー)・・・鉄のドラムを備え、
振動によって深層まで強力に締固める。
舗装は、ただアスファルトを敷くだけでは成立せず、下地をしっかりと締めることで沈下やひび割れを防ぎます。
4.アスファルトフィニッシャー
【舗装仕上げの主役】
舗装工事の花形といえば「アスファルトフィニッシャー」です。加熱したアスファルト合材を均一な厚さで路面に敷き均すための機械で、仕上げの美しさと機能性を決定付ける重要な役割を担います。
役割:アスファルト合材の敷き均し、均等な厚さと幅で施工可能
特長:スクリードと呼ばれる部品で表面を平滑にしながら、設定した勾配を保ちつつ施工可能。自動制御付きの高性能機種もあります。この機械が正確に機能することで、舗装面の耐久性・排水性・走行性が大きく向上します。
5.コンバインドローラー
【多機能型ローラーでの表面仕上げ】
アスファルトフィニッシャーの後を受けて、舗装面を平滑に、かつしっかりと締固めるのが「コンバインドローラー」です。タイヤとスチールドラムという構造で、柔軟性と重量の両方を活かして仕上げ作業を行います。
役割:アスファルト舗装面の最終締固め、表面平滑性の確保
特長:仕上げ面を損なわず、繊細な圧力調整が可能。仕上げのムラを防ぐために重要なポジションを担っています。いわば、「舗装の仕上げ職人」ともいえる存在です。
6.アスファルトプラントとダンプトラック
【合材の供給ラインを支える】
舗装の原材料となるアスファルト合材は、現場ではなく「アスファルトプラント」と呼ばれる工場で製造されます。加熱・混合されたアスファルト合材は、すぐに施工現場に運搬される必要があり、その役目を担うのがダンプトラックです。
役割(アスファルトプラント):アスファルト合材の製造・管理
役割(ダンプトラック):合材の運搬。適切な温度を保って現場へ迅速に供給します。合材は時間とともに冷めてしまうため、搬送のスピードとタイミング管理も非常に重要になります。
7.路面切削機(ミリングマシン)
【既存舗装の撤去・再生に】
再舗装工事などで、既存のアスファルトを削り取るために使用されるのが「路面切削機(ミリングマシン)」です。
役割:既存舗装の表層を削ることで新たな舗装の下地を作る
特長:回転するドラムに取り付けられた鋭い刃で、舗装面をミリ単位で正確に削る。再生合材の回収にも利用される。廃材を再利用することで、環境負荷の低減やコスト削減にも貢献しています。
8.散水車/清掃車
【現場の安全と仕上げを支える補助機械】
現場では、粉塵対策や舗装面の清掃、冷却などのために「散水車」や「清掃車」も使われます。
役割(散水車):粉塵の飛散防止、舗装面冷却、機械の給水用
役割(清掃車):舗装前の路面清掃、切削後の粉塵除去
見えにくい存在ですが、仕上り品質と作業の安全に直結する重要な機械です。
まとめ
舗装工事は、単に「アスファルトを敷く」だけの作業ではありません。掘削、整地、締固め、敷均し、仕上げ清掃に至るまで、各段階で専門の機械がチームのように連携し、高品質な道路をつくりあげているのです。
これらの機械は、それぞれの作業工程に最適化された設計がなされており、正しい操作と整備が求められます。オペレーターの技術と機械の性能が合わさってはじめて、安全かつ効率的な舗装が実現できます。
舗装工事の現場で使われている機械たちは、まさに「縁の下の力持ち」。もちろん機械の傍で機械には届かない細かいところや細かい作業を行う手元の作業員もチームの一員です。舗装工事では機械のオペレーターと手元作業を行う作業員が一つのチームになり、チームワークを発揮しながら行うことで一つの現場が仕上がっていきます。
弊社では、自社機械も複数持っており、各現場にて用途に応じた機械が活躍します。自社機械の一部は写真でも掲載してみました。今回は、舗装工事における重機について、その機械と役割について解説しました。
様々な場所で、多くの場所で工事現場を目にすることがあると思います。機会があった際には私たちの生活の快適さを陰で支えているこれらの機械とオペレーターにぜひ注目してみてください!
我々、互栄土木建設株式会社では重機オペレーターも随時募集しております。また、会社見学や現場見学もご希望に応じて行っております。一緒に現場で活躍できるオペレーターの方、オペレーターと共に作業のできる作業員の方、お待ちしております。ご興味がありましたら弊社HPよりご連絡頂けますと幸いです。